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色んな事がちょっと好き

ゲーム、アニメ、海外ドラマ、音楽、などがちょっとずつ好きなので、興味のある事体験した事についてブログを更新してます。

人魚の眠る家

 

1年前ぐらいに買ったまま積み本の一冊となっていた作品を読み終わらせる事ができました!

東野圭吾作品にしては珍しくミステリー色の薄い作品でした!

 

離婚が決まって別居している夫婦の娘が突然の水難事故にあい、心臓は動いているものの、脳は停止している状態に。

脳は完全に機能を失っているけれども、心臓は動いている、病室のベッドに倒れている我が子は寝ているも同然の姿のまま。しかし一生意識が戻る事も無い。

 

日本では脳死の場合、脳死判定を2回行った後に死亡を確認し、臓器移植へ移るのが主流となっているらしいく、ドナー提供の意思表示を本人が行っていなかったのであれば決断は家族に譲られる。

 

脳死した患者は数日中に亡くなる事が多いので、その前に家族は決断しなければいけないのである。

実際にその状況に立ち会わなければ葛藤なんてわからないだろうけど、短い時間で家族の死を自分達で決めるってのはとんでもなく残酷な気がする。

 

この本の家族は、子供の立場になって考えて、臓器提供を一度は決めたのだが、最後の別れを行っている時に子供の手が動いた気がした事がきっかけで、臓器提供は中止し、治療を行うことに。

 

旦那の経営している会社が特殊だった為、お金には困らず、その会社での技術を使い脳死している子供には最先端の技術で治療が進められていた。

電極を体につけて電気信号を使って筋肉を動かしたり、特殊な呼吸器を使って管を通さず呼吸ができたりなどなど。

 

しかし傍から見たらそれはただの死体で遊んでるだけにも見えるし、妻のエゴを押し付けているだけにも見える。

だんだん妻もおかしな方向へと進んでいく。

見知らぬ通りすがりの人間や、弟の同級生の親たちに『生きているみたい』『眠っているだけとしか思えない』と言われる事で勝ち誇った気持ちになっている。

けど、それって同級生の親たちは事情が分かっているのだから、つまり死体って認識されている事になるよね。

 

弟は小学1年生。

たいていの子が言いたいことを我慢せず直接相手に伝えちゃう時期。

弟は最初の方こそ、姉は眠っているだけの病気だと思っていたが成長するにつれ実は死んでいるのではと心の中で密かに思っていた事をオブラートに包まれる事も無く同級生たちに言われて傷ついてしまい、家でも部屋からあまり出てこなくなり、姉の部屋に近づこうとしなくなります。

 

そんな子供の変化に違和感を感じるものの特に気にせず、治療にやってくる若き技術者といい雰囲気な事もあり、姉の治療にばかりのめり込む母親。

この子供はよくできてるな~と思います。

普通なら反抗期が到来してますもんw

 

そしてこの母親は弟君の誕生日パーティーを開催すると張り切っていたのですが、もちろん同級生に動く姉を見せつける会を開きたいというのが本心だったのでしょうね。

パーティーにはいつまでたっても同級生たちは来ません。

なぜなら弟が全て断っていたからです。

さらに、同級生達にいじめられそうになっていたので、『姉はもういない』とも伝えてたそう。

この辺りは本当に弟が可哀想すぎて泣けます。

 

母親ここで狂乱して、警察を自ら呼び、脳死している娘を自分が包丁で刺して殺したらそれは殺人罪になるのかと問いただすのです。

誰も答えられません。

 

この辺は作者の凄さが出ています。

狂乱しながらも冷静な思考をもった母親、誰も反論する事ができずここで本当に娘を刺してしまうんじゃないかと思ってしまいました。

 

ですが、この事件のあと、眠っている母親の元に娘の魂が具現化して表れて、天国へ行くと言い、いままで面倒をみてくれた事への感謝の気持ちを伝え、旅だちました。

その後はあっさり脳死判定を引き受け、臓器を提供して物語は終わりました。

 

その臓器がどこへ行ったかも、エピローグで語られていて少し面白かったです。

 

 

作品の途中で、母親は家に訪問教育の為に訪れている教師に成りすまして、渡米して臓器移植する為に必要な資金を集めているボランティア団体の一員になり活動を行います。

そこで日本の制度、なぜ海外に渡米して手術を行うと費用が膨らむのかなどの実態がわかります。

 

 

自分はこの作品を読み終わってすぐ、保険証の臓器提供意思表示欄に記入をしておきました。

いつどんな事故に遭遇するかもわからないし、仮に自分が脳死状態になった時に周りの人間に判断を委ねるのが嫌だからです。

言い方を変えれば、殺すかどうかを決めるって事ですからね。

まぁ、医学的には脳死は死んでるのと同じ状態なのですけどね。

 

物凄く面白い作品だったのでオススメです!